FXの最新理論として欠かせない考えが、センチメント分析です。

今回はセンチメントにおいて重要な地位を占める理論である、Lévy Flight(レヴィフライト理論)を考察して参りたいと思います。

Lévy Flightとは、フランスの数学者ポール・レヴィにちなんで名付けられた、ヘヴィーテールの確率分布のことを言います。

「レヴィ飛行」とは、ステップ長がヘビーテールの確率分布を持つランダムウォークです。 1より大きい次元の空間での歩行として定義される場合、行われるステップは等方性のランダムな方向になります。

-Wikipedia「Lévy Flight」

この記事では、このLévy Flightが金融マーケットにどのように適用できるのか、そしてそれがどのように戦略として活用できるのかを見ていきたいと思います。

基礎知識:確率分布

SA理論で言及されている確率分布は、下記の2つになります。

  • 正規分布(英:Normal distribution)
  • Lévy分布(英:Lévy stable distribution, Lévy flight distribution)

これらの二つの分布の確率密度関数を下図に表します。

図の見方

  • ある利益/損失が生じる確率を読み取ることが可能となる。
  • 曲線左右の極端な損益が生じる(図灰色)確率が低い部分を裾またはテールと呼ぶ
  • ヘヴィーテール又はファットテールとは
    Lévy分布のように極端な損益でも生じる確率がある程度存在するテールのことをいいます。

※ 注意 確率密度関数、横軸は対数をとることなどは話を簡単にするためここでは扱いません。

基礎知識:確率分布/正規分布

正規分布の例

  • 身長や体重の分布
  • 交通事故に遭う確率分布

正規分布の特徴

ランダムウォークに従う確率分布の一種で、テールはLévy分布より狭く、自然界の事象は正規分布に従うことが多いです

μ(平均)、σ(標準偏差)とすると、μ±2σに約95%要素(データ)が収まります。

FX市場における正規分布

個人投資家を含む大衆(以後リテール(我々のような一般投資家))は、正規分布に慣れ親しんでおり、市場やトレードなどに対しても正規分布に基づき考える傾向があります。インジケーターのボリンジャーバンドなどは正規分布に基づくものです。

基礎知識:確率分布/Lévy分布

  • Lévy分布の例
  • アホウドリ(動物)の飛行探索経路

Lévy分布の特徴

ランダムウォークに従う確率分布の一種。確率分布のテールはヘヴィーテールです。

稀に1ステップで極端に動く場合や一方向に偏って極端な動きを見せる場合があります。

FX市場におけるLévy分布

FXを含む金融市場は、Lévy分布に従っていることが示されています。[参考文献1、2]
つまり、Lévy分布に従うFX市場においては、リテール(我々のような一般投資家)が意識している以上に極端な動きが生じる確率が高く、
また、リテール(我々のような一般投資家)はLévy分布のテールリスクに気づいていない又は知らないことが多い

値動き

  • 正規分布:レンジ相場で見られます。
    安定して横ばいに動くのが特徴です。
  • Lévy分布:トレンド相場で見られます。
    突然、短期間かつ一方向に極端に動くのが特徴です。

Lévy分布が生じる理由

FX(金融)市場は、感情(欲や恐怖など)に影響を受けるトレーダーで構成されるため、その感情によって極端な値動きが生じます。

FX市場の一日あたりの注文供給割合は
80%以上:大手11銀行(下表)
10%程度:リテール(我々のような一般投資家)
となっており、市場参加者の大部分を占めるリテール(我々のような一般投資家)ではなく、少数である大手11銀行の影響力が強い、というのも一つの要因かもしれません。

FX市場においてどのようにLévy分布が現れるか

Lévy分布が生じる理由(補足)①

Lévy分布が生じる理由は、正規分布にならない理由とも関係があります。
自然界の事象と異なり市場は感情的、市場参加者は意思を持ち自然ではない不合理な行動をします。
正規分布の対象は同じ条件下で得られたバラツキのある事象だが、市場は同じ条件下ではありません。
フラクタルな性質を持つものは、正規分布よりもパレート分布になることが多いと言われています。

  • その1:自然界の事象と異なり市場は感情的、市場参加者は意思を持ち自然ではない不合理な行動をする
    FX(金融)市場は、感情(欲や恐怖など)に影響を受けるトレーダーで構成されるため、その感情
    によって極端な値動きが生じる
  • その2:正規分布の対象は同じ条件下で得られたバラツキのある事象だが、市場は同じ条件下ではない。
    大手11銀行が、FX市場の一日あたりの注文割合の80%以上を占めて強い影響力を持つ一方、
    参加者数としては大多数のリテール(我々のような一般投資家)はほぼ影響力を持たないため、両者は同じ条件ではない。
    さらに、強い影響力を持つ大手11銀行の思惑(意思決定)が存在する市場と意思決定のために静観している市場では条件が異なると言えます。
    仮に市場参加者の影響力が均一ならば、同じ条件下に近づくと考えられます。

Lévy分布が生じる理由(補足)②

その3:フラクタルな性質を持つものは、正規分布よりもパレート分布になることが多い
FX(金融)市場は、フラクタルな性質を持つと仮定すると、パレート分布が考えられます。(下図)

横軸を収益率の絶対値(利益や損失ではなくその大きさ)とすると、Lévy分布とパレート分布の共通する特徴が分かる
ここで注目するところは、パレート分布は片側ヘヴィーテールという点です。
つまり、Lévy分布でもパレート分布でもヘヴィーテールという特徴を持つ、これがとても重要といえるでしょう。

※ フラクタルとは
簡単に言うと、一部が全体と自己相似な構造を持っている図形であり、いくら細部を切り取って拡大しても全体と同じような図形を保つもの。「FX相場はフラクタルである」という見方があります。

SA理論で語られるLévy分布/ヘヴィーテール

すべては下記の図で示されます。
左図はリテール(我々のような一般投資家)、右図はスマートマネー(以後SM(スマートマネー、大口投資家))の確率密度関数となります。

  • どちらが長期的にロバスト(頑健/強固)なのか?
  • リテール(我々のような一般投資家)とSM(スマートマネー、大口投資家)のヘヴィーテールの扱い方の違いは?
  • ヘヴィーテールを考慮している/考慮していないシステムは?
  • Lévy分布に従う市場に対して重要視すべきシステムのポイントは?
  • 運用コストを考慮した場合(補足)

どちらが長期的にロバスト(頑健/強固)なのか?

  • 長期的にロバストなのは、SM(スマートマネー、大口投資家)(期待値が利益側にある)
    長期的にロバストではないのは、リテール(我々のような一般投資家)(期待値が損失側にある)
  • SMは一時的に損失を被っても、長期的に見ると最後には利益を得られる
  • リテールは一時的に利益を得ても、長期的に見ると最後には損失が重なり市場を去る
  • ヘヴィーテールは(極端な損益が生じる確率を示すので)上記の傾向により拍車をかける
    ※ 期待値は、すべての値について(ある値 × その値が生じる確率)を計算し、そのすべてを足し合わせた和

リテール(我々のような一般投資家)とSM(スマートマネー、大口投資家)のヘヴィーテールの扱い方の違いは?①

  • リテール(我々のような一般投資家)は、損切せずに損失を保持し、利確は早い(勝率は高い)、テールリスクを見落しがちです。
    そのため、時折リカバリー出来ない極端な損失が生じ、小さい利益しか得られません。
    損失側ヘヴィーテール:制限していない、利益側ヘヴィーテール:制限している
  • SM(スマートマネー、大口投資家)は、適切かつ小まめに損切し、利確は遅らせ利益が伸びるのを待つ(勝率は低い
    そのため、制限された小さい損失が生じやすいが、時折リカバリー以上の極端な利益を獲得する
    損失側ヘヴィーテール:制限している、利益側ヘヴィーテール:制限していない

リテール(我々のような一般投資家)とSM(スマートマネー、大口投資家)のヘヴィーテールの扱い方の違いは?②

  • リテール(我々のような一般投資家):時折リカバリー出来ない極端な損失が生じ、小さい利益しか得られません。
  • SM(スマートマネー、大口投資家):制限された小さい損失が生じやすいが、時折リカバリー以上の極端な利益を獲得する
    上記の時折がどの程度の頻度か、ということが重要
  • Lévy分布に従うFX市場では、リテール(我々のような一般投資家)が意識している以上に極端な値動きが生じる確率が高い
    (※ 原本[参考文献1]では、” The 10% trending conditions will result in extremely large moves. “ との記述がある)
  • つまり、証拠金に限りがあるリテール(我々のような一般投資家)にとっては、ブラックスワン(めったに起こらないが壊滅的被害をもたらす事象)は決して軽視できず、少しの極端な値動きでもブラックスワンになるわけです。

ヘヴィーテールを考慮している/考慮していないシステムは?

  • 考慮しているシステム
    固定/制御されたストップロス、低勝率だが良好なリスクリワードレシオ(例80pipTP、40pipSL)

モメンタムに従うトレンドフォローまたはブレイクアウトストラテジー

  • 考慮していないシステム
    固定/制御されないストップロス、高勝率だが不良なリスクリワードレシオ(例40pipTP、80pipSL)

天底を狙う回帰(逆張り/レンジ)ストラテジー

Lévy分布に従う市場に対して重要視すべきシステムのポイントは?

  • リスク管理(ストップロス/トレーリングストップ/ロット数管理/リスクリワードレシオ)
  • イグジット(テイクプロフィット/トレーリングストップ/ブレイクイーブン)
  • 市場状況(トレンド・Lévyflight or レンジ・一般的なランダムウォーク or 転換期)

※ エントリーは蔑ろに出来ないが、上記よりは優先度は下がる

運用コストを考慮した場合(補足)

  • 運用コスト:スプレッド、手数料、VPS費用など
  • 運用コストを考慮すると下記の図のように、0の位置が利益側にずれる
  • つまり、FX(金融)市場参加者は常に少し不利な立場でトレードに臨んでいることになる
    仮に市場が完全に正規分布に従っている場合や、自身のトレード結果の確率分布が対称の場合は、いつかは必ず運用コストが重なり市場から去ることになります。

まとめ①

➢FX市場は、ヘヴィーテールという特徴を持つLévy分布に従っている

➢ヘヴィーテールは、極端な損益が生じる確率がある程度存在することを示し、リテール(我々のような一般投資家)が意識して
いる以上に極端な損益が生じる確率が高いことを意味する

➢証拠金に限りがあるリテール(我々のような一般投資家)にとっては、少しの極端な値動きでもブラックスワンになる可能性が
あるので、SM(スマートマネー、大口投資家)のように大衆に逆らう考えやストラテジーを持ち、テールリスクを管理することが特に重要である

まとめ②

➢リテール(我々のような一般投資家)は、損切せずに損失を保持し、利確は早い(勝率は高い)
損失側ヘヴィーテール:制限していない、利益側ヘヴィーテール:制限している

➢SM(スマートマネー、大口投資家)は、適切かつ小まめに損切し、利確は遅らせ利益が伸びるのを待つ(勝率は低い)
損失側ヘヴィーテール:制限している、利益側ヘヴィーテール:制限していない

➢ヘヴィーテールを考慮したシステムの特徴
固定/制御されたストップロス、低勝率だが良好なリスクリワードレシオ(例80pipTP、40pipSL)

モメンタムに従うトレンドフォローまたはブレイクアウトストラテジー

参考文献一覧

1.書籍:The Successful Trader Foundation: How To Become The 1% Successful Contrarian Trader by Trading Against the Losing Crowd
2.論文:Characterizing Cryptocurrency Market with Lévy’s Stable Distributions

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